中学校時代には無名の学校「三田原中学校」に
「スゴ腕ピッチャー」として一躍脚光を浴びた『宇梶勝碁』(うかじ・しょうご)。
しかし勝碁はその大会を期に野球をやめてしまう。
そして高校入学後、勝碁を野球をするように誘い続けているのが、
幼馴染の『蓮川浦幸』(はすかわら・さち)。
頑なに野球をする事を拒む勝碁に一人のスカウトマンがやってくる。
その人物は「国内最強球団:帝那シグムンガルド」の名投手、
『真柳戞齎』(さなやぎ・かつし)。
真柳選手の高慢な態度にイラついた勝碁は、真柳選手のスカウトを拒否する。
スカウトを拒否された真柳選手は「力づくでメンバーに連れ込もうとする」。
そこで真柳選手は
「勝碁が勝てば、幸にサインを書いてあげる」
「もし負ければ、勝碁をチームに引き入れ、更に学校を廃校し、野球場に変える」という
悪条件を無理矢理つきつけられてしまう。
否が応にもその条件を飲む事になってしまった勝碁。
その話を偶然聞いていた新任教師の『砂田央美鴬』(さたなか・みおう)の手助けもあり、
野球部を作るまでには至ったのだが…。
この話の背景
元々私自身からこの野球漫画を描くという考えはありませんでした。
私の友人が
「野球漫画とかスポーツ漫画を描かないの?」
と、聞かれたのが発端です。
その時までは自分はスポーツ漫画を『読む』方に徹していた自分ですが、
『描く』方と来ると、いやはや…。
はじめはどんなスポーツを題材にしようか迷いました。
バスケ漫画、テニス漫画、バレー漫画…なんでも殆ど出ちゃってます。
アメフト漫画も近年有名になっていますしね。
F-1、競艇、競馬、ボクシング、ゴルフ等、
スポーツ漫画というのは際限が無いものなんですよ。
んで、最初に浮かんだのが、バスケ漫画です。
私にとってバスケ漫画=スラムダンク(或いはブザー・ビーター)であって、
勝手に井上雄彦氏に尊敬の念を抱いているので、
「あの漫画を越える事は困難だろう」と思い、
「うん。バスケ漫画はやめよう」と決断しました。
その間、わずか9秒と言うディオの時止め的早さで決めました。
そんな事で思案を凝らしているときに、友人が
「主人公は俺で」という話が出てきて、「私はこういう役」、
「出してもらえるならこんなキャラクターがいいな」等
ねずみ算式にキャラクター・コンセプトが決まったんですよ。
もうそれは一組の野球チームが出来るくらい…。
…そうだ。野球にしよう。うん。それがいい。
私の中では野球漫画は沢山出ているので、
「その中に入っても、誰も気にしないだろう。身内で楽しむもんだし…」
といった不純な動機で描き始めました。又それはこのウェブ。ページを作る理由にもなりました。
そこで一つ。自分に課題を今回は付けました。それは。
『決してテロップを使わないこと』です。
他の漫画では説明にテロップを用いて、内容を文章で省くと言う描写が多く見られたので、
「別に毎週20ページ描くワケではないし、自分の好きなように描くのだから…」
といった理由と、
「出来るなら細かいところまで描いてみたい」
といった欲求がはじき出した課題でした。
ここで一つの問題が発生します。
どんなストーリーにしようか?
高校生同士で野球対決?
…甲子園ネタは有り触れてます。無難すぎる。
プロ野球のメッチャスゴイ野球を描くか?
…テーマが普通で、プロがファイン・プレイをするのは当然。
もっと漫画っぽい話を描きたいと思いました。
だから、もっと無理があって、少しリアリティーを有しているもの
…と模索していたところ
「高校球児とプロ野球選手がガチンコで対戦させるとどうなるだろうか?
しかもその高校球児は超高校級の選手ぞろいだとしたら…」
それが始まりでした。それがあの不毛な条件の原点でした。